Aliceーアリスー
女王様は男性よりも女性の方が好き。
そして何より大人の女性より幼さの残ったちょうど私くらいの年齢の女の子が何よりも大好き。
そう帽子屋が言っていた。
『いいかい?アリス。女王はきっと君のお願いなら何でも聞くし、甘えてもらうことを何よりも望んでいるはずだ。……うまくやるんだよ?』
帽子屋が最後に私にそう言ったことを思い出す。
うまくやってやろうじゃないの。
甘えん坊、妹アリス、いざ出陣!
「ねぇ、女王様?私、ちょっと疲れちゃった。あっちで少しお茶しない?」
するりと女王様の腕に手を回して疲れたアピールをする為に女王様の肩に頭をコテンと乗せ、少し向こうのお茶スペースを指さす私。
甘えつつ、場所移動願う攻撃!どうだ!
「いいわよ。アリスの願いなら何でも叶えるわ」
そんな私を見て持っていたフラミンゴを地面に投げると女王様は私の頭を優しく、それはもう優しく満足そうに撫でた。
そして移動しながら「大至急そこのテーブルにお茶セットを!」と周りのトランプ兵たちに声をかけていた。
本当に私のお願いを聞いてくれた……。