Aliceーアリスー




「アリス!」


狂気のクロッケー大会の方から帽子屋が私の名前を呼ぶ声が聞こえる。

これは作戦完了の合図だ。

あとは3、フェードアウトで作戦終了。


ダッ


ちょうど立っていたので私はそのまま狂気のクロッケー大会の方、いや、帽子屋たちの方を目掛けて走り出す。


「アリス?」


そんな私の行動を不思議に思ってついに女王様は後ろを振り向いた。


「これはどういうことなのかしら?」


女王様が振り向いた狂気のクロッケー大会は既にもぬけの殻。

おかしな事態に女王様の表情が一気に曇る。


「女王様!お言葉だけどクロッケーはフラミンゴもハリネズミもトランプ兵も使わないのよ!」


そんな女王様に私は大きな声で聞こえるように声をかける。


「これはアリスの仕業なのね?」

「そうよ!どんな命も大切よ!無下に扱ってはいけない!それが女王様、アナタでもね!」


こちらを睨みつける女王様をビシッと指さしてこちらも負けじと睨みつけた。


すると……


「例えアリスでも私に逆らうことは許さない。捕らえなさい。首をはねるわ」


あの恐怖の笑顔を私に向け、女王様は右手を上げた。

それは女王様の新たな命令の合図。






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