君と見つける、恋の思い出


「蓮くん、写真!」



叶花に言われて、俺はスマホで写真を撮る。



何気に叶花の写真がスマホに残り出しているな……



「……なにしてんの」



すると、こっこが冷たい視線を俺たちに向けていた。



「蓮くんに貸してもらったの!」



……たぶん、こっこが言いたいのはそういうことじゃない。



こっこはため息をついた後、俺を睨む。



「先輩も浮かれてるなんてこと、ないですよね」


「……ありえねぇな」


「ですよね。さくらのわがままに従うのは、通常運転ですよね」



……それは語弊がある。



「さくら、注意されたくなかったら、はやく脱いで。もう満足したでしょ?」


「うー……わかった。はい、蓮くん」



そして俺の手元に帰ってきたTシャツは、無造作にカバンの上に置かれた。



「もう始まります。先輩、部誌を運んでくれますか」



人使いが荒い、と思いはしたが、百冊近くが段ボールの中にあることと、こっこの見た目からして……運ぶのは無理だな。
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