びとうくんとさとうさん。



「……じゃあ、びとうは苦手なんだ?」

きっと、今聞いてきたびとうは微糖のことだと思う。

だから、何の迷いもなく。


「甘く感じない……だから苦手かな」

と、わたしが答えると、片方の口角をあげながら。

びとうくんの綺麗な人差し指が、わたしの唇に触れた。



「気が合うね、俺も苦手。甘くないから」

「っ……」


そっと、ジワリと、今度は親指で唇をなぞってくる。

あまりに自分の身体が変にびくついてしまって、距離を取ろうと後ろに下がろうとしたら。

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