びとうくんとさとうさん。



さっき、図書室で辞書を使って調べたもう一つの単語。


“さとう”
くだらないことを辞書で引いたと思う。

意味なんか説明しなくても誰もがわかるものだと思う。


そして、びとうくんって人は、とことん人の話を遮るのが得意らしく……。



「いーんだよ、さとーさん。

……甘けりゃなんでも」



また、わけのわからないことばかり言って。



「びとうくんは……甘いの、苦いの?」


ほら、わたしまでわけのわからないことを聞いてしまってる。


「……さあ、どーだろ?」

「教えてくれないの……?」

だんだんと、びとうくんに深入りしてしまう。

自ら踏み込んでいこうとしてしまう。

< 16 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop