びとうくんとさとうさん。
さっき、図書室で辞書を使って調べたもう一つの単語。
“さとう”
くだらないことを辞書で引いたと思う。
意味なんか説明しなくても誰もがわかるものだと思う。
そして、びとうくんって人は、とことん人の話を遮るのが得意らしく……。
「いーんだよ、さとーさん。
……甘けりゃなんでも」
また、わけのわからないことばかり言って。
「びとうくんは……甘いの、苦いの?」
ほら、わたしまでわけのわからないことを聞いてしまってる。
「……さあ、どーだろ?」
「教えてくれないの……?」
だんだんと、びとうくんに深入りしてしまう。
自ら踏み込んでいこうとしてしまう。