びとうくんとさとうさん。
初めて、びとうくんの顔をはっきりと見た。
暗い茶色の髪。前髪が少し長くて、そこから垣間見える透き通った綺麗な黒の瞳。
少し寂しそうで、だけど人の全てを見透かしそうな瞳から思わず目をそらしてしまった。
一瞬だけ、目が合っただけなのに、胸のあたりがざわざわした。
「……びとうって甘いと思う?」
低く、落ち着いた声音。
突然聞かれて戸惑った。
この"びとう"が美藤くん自身のことを言っているのか、微糖のことを言っているのかわからない。
いや、文章の流れ的に微糖のことか。
いくらなんでも自分のこと甘いと思う?なんて聞く人いないよね。
「うん……砂糖が入ってるから甘いんじゃないかな」