びとうくんとさとうさん。
さとうさん。
ある日の放課後。
図書委員の仕事で図書室の本を整理していた。
ふと、ある会話を思い出したわたしは、数ある本のうち、分厚い一冊を手に取り目的のページを探し開いた。
微糖――意味:糖分の含有量がほんのわずかであること。
「甘くないんだ」
辞書を見ながら、ひとりつぶやく。
ほんのわずかってことは、ほんとに少ないんだろうなぁ。
あの時、びとうくんが言っていたことは正しかったんだと今さら考えてしまった。