びとうくんとさとうさん。
***
ある程度、本の整理を終えて、教室に戻った。
時計の針は午後の5時過ぎをさしていた。
外もオレンジ色に変わっていて、外から運動部の声が少しだけ聞こえる。
夕日が差す教室に、誰もいないはずの教室に、ポツリと1人の姿を見つけた。
窓側のいちばん後ろの席に座って、机に突っ伏して眠る
━━━びとうくん。
教室の前の扉から入っていって、そこから結構距離があったのに、そこで眠っているのがびとうくんだと直感でわかった。
なんでわかったのかは、わたしにもわからない。
それに……窓側のいちばん後ろの席は、びとうくんの席じゃない。