びとうくんとさとうさん。



***


ある程度、本の整理を終えて、教室に戻った。

時計の針は午後の5時過ぎをさしていた。

外もオレンジ色に変わっていて、外から運動部の声が少しだけ聞こえる。

夕日が差す教室に、誰もいないはずの教室に、ポツリと1人の姿を見つけた。


窓側のいちばん後ろの席に座って、机に突っ伏して眠る


━━━びとうくん。


教室の前の扉から入っていって、そこから結構距離があったのに、そこで眠っているのがびとうくんだと直感でわかった。

なんでわかったのかは、わたしにもわからない。

それに……窓側のいちばん後ろの席は、びとうくんの席じゃない。

< 7 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop