びとうくんとさとうさん。
そっと、ゆっくり近づいた。
さっきまで遠かった距離はあっという間に縮まり、びとうくんが眠る席の真横まできた。
少しかがんで、びとうくんの顔を覗き込むとスヤスヤと眠っていた。
相変わらず綺麗な顔。
寝ている時ですら綺麗なんてズルくない?
自然と……無意識に手がびとうくんに伸びていた。
ほんの少しだけ……びとうくんの手に触れた。
熱い……。
触れた途端、全身の血液が一気に流れて、身体が熱くなる。
びとうくんの体温は冷たいのに、それを上回るほどの自分の体温のせいで、熱く感じてしまう。