【短】ズルくて、ごめん。
「葵…っ!!」
例え最低だと言われようとも、俺はきっと、このままじゃ一生後悔する。
急いでその小さな後ろ姿を追いかけて、ギュッとそのまま抱きしめた。
彼女がいる俺には、先に他にやることがある。
わかってる。わかってるんだ。
……だけど。
「葵。時間、戻せないかな?」
俺は、最低な男だから。
「ズルくて、ごめん。けど俺、葵が──────」
葵の1番は、俺でいたいんだよ。
Fin.