【短】ズルくて、ごめん。
「……は?」
「だーかーらー、彼氏できたの、私に」
「待って、いつから?」
「昨日から」
目を丸くする俺の目の前で淡々と説明してくるのは、俺の高1からの親友。
佐竹葵(サタケアオイ)。
別に、特別可愛いわけでもないし、俺がこいつに恋愛感情があるわけでもない。
でも、納得がいかなかった。
「だって、お前……」
「何よ」
「いや、なんでもない」
こいつの好きな人は、俺が一番よくわかっていたから。