【短】ズルくて、ごめん。
「好きなの?アイツのこと」
「もう、いい加減しつこいよ?青には関係ないでしょ」
流石に聞きすぎたのか、葵は呆れたようにプイッとそっぽを向く。
「おい、葵────」
「永瀬くーん!」
もう一度問いかけようとした俺の声は、すぐにかき消された。
「ほら、お呼びだよ?永瀬青(ナガセアオ)のファンの子が」
「うるせーな。フルネームで言うな」
「ほら、行っておいで、チャラ男くん」
ほれほれ、と、葵は俺の背中を押す。
俺には全く、葵の考えてることはわからなかった。