【短】ズルくて、ごめん。

***



「好きって言って?永瀬くん」

「ん?好きだよ、ナオちゃん」

「えへへ、嬉しい。ナオも永瀬くん大好き」



教室を出て、こっそりと非常階段に隠れた俺たちは、そんな愛の言葉を交わし合う。


別に変なことではない。


この子は、今の俺の彼女だし。



葵と違って気遣いも出来るし、何より可愛い。


可愛い子であれば、俺が拒む理由なんてない。



好き、なんてたった2文字でこんなにも女の子を喜ばせられるなら、いくらでも使うしな。



葵はこんな俺をチャラ男だとバカにするけど、付き合うにはちゃんと好きという感情は持っている。



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