冷たい幼なじみが好きなんです
更衣室に向かう途中、左手首につけている白と青の腕時計に目をやった。腕時計を身につけ始めてから、こうやって時間を見るのはいつしか癖になっている。
竜が誕生日にプレゼントしてくれたスポーティーなこの腕時計。スポーティーといっても、レディースだから可愛い仕上がりだ。
よし、時間、間に合いそう!
ほっと安心し、更衣室のなかへと入っていった。
ローファーを脱ぎ下駄箱に入れるときにも気づいていたが、五時間目にどこかのクラスも水泳だったようだ。
わたしたちのクラスは今から制服からスクール水着に着替えるが、反対にスクール水着から制服に着替えているどこかのクラスの女子たちがそこにはいた。
わたしと優香は空いているロッカーを見つけ、ネクタイをほどき始めた。
「っあれ、笑じゃーん!」
隣から名前を呼ばれ、目を向けると、そこには去年同じクラスで仲の良いすでに制服に着替え終わったアキが立っていた。
「アキ~!久しぶり~!!」
「笑、最近遊んでないねえ~!そうだ、夏休み遊ぼうよ!」
「うん、遊ぼ遊ぼ~!!」
そんな約束をしながら、わたしはあることを思い出した。