冷たい幼なじみが好きなんです
「………元デブとか好き勝手言ってるけどさ……、あんたたちみたいな一生性格ブス、百合ちゃんのこと羨ましがる筋合いもないからッ!!もし百合ちゃんに土下座してほしいなら、それ相応の言いがかりすればッ!?」
むしろあんたらが百合ちゃんに土下座しろよ!!!!!
それも言いたかったがぐっと喉の手前で抑え込んだ。
「──あなたたち!なにやってるの!!」
更衣室の出入口に今から水泳の授業を担当する女教師が立っていて、ズカズカと中に入ってきた。
3人組は“やばっ”という顔をして逃げるように更衣室から去っていった。
「佐倉さん、どういうことか説明しなさい!」
先生はわたしが怒り声を上げていたところしか目撃していないようで、事の発端はわたしなのではないかと真っ先に疑ってきた。
「っ先生、違うんです!!笑ちゃんは相田さんをかばっただけで、なにも悪くないんです。悪いのはさっき逃げていった子たちなんです…!!」
優香がすかさず訂正を入れる。ほんとに優香はさすがすぎる。
「…わかりました。事情は後で聞きます。とりあえず早く着替えなさい」
先生は優香の言葉を信じた様子でそう言って、プールのほうへと向かっていった。