ハロウィンの館〜八年越しの復讐〜
「あっ!そんなところに立っていないで、こっちに来て一緒に楽しみましょう。一年に一度のハロウィンですし」

包帯で全身をぐるぐる巻きにした男の子が言う。たぶん中学生ぐらいだろう。

「でも、私たち仮装なんてしてないですし……」

美湖が部屋の中にいる人物を一人ずつ見つめる。

魔女、吸血鬼、フランケンシュタイン、悪魔、包帯人間、オオカミ人間、そして死神……。ハロウィンの本場のような立派な仮装に、自分たちが場違いなのだと言われているような気がした。

「仮装なんて、する必要ないんじゃない?」

オオカミ少女が私たちを見て、クスクス笑う。

「だって、三人ともちゃんと仮装してるもん!豚に透明人間に……極悪人!!」

「はあ!?」

私はオオカミ少女を睨みつけた。少年もクスクス笑っている。

前言撤回!!かわいくなんてない!

「こら!そんなこと言わないの!」

赤いカチューシャに黒いフリルのワンピースを着て、悪魔のコスプレをした女の子が二人を叱る。

「……ごめんなさい……」

二人は頰を膨らませながら、言った。
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