ハロウィンの館〜八年越しの復讐〜

「とにかく、楽しみましょう！」

グレーのスーツを着て、顔に傷を作ったフランケンシュタインに仮装したおじさんが言った。まあ、おじさんと言ってもたぶん三十代くらいだと思う。

「僕らの名前は……仮装しているものの名前を呼んでください」

吸血鬼が言う。

「さあ、入って！」

悪魔と魔女が手を引っ張り、私たちもパーティーに参加した。天井にはシャンデリアが輝き、部屋の中は絢爛豪華な調度品であふれている。

それらに目を奪われていると、ぽんぽんと肩を叩かれた。振り向くと、黒く長いワンピースに黒いフードをかぶり、骸骨のマスクをつけ、死神の仮装をしている人が赤いワインの入ったグラスを無言で差し出していた。

「……あ、りがと？」

グラスを受け取ると、死神は頷き去って行った。美湖と夏樹にも同じように無言でグラスを差し出している。

「……何、あの人……」

喋らないことを不気味に思っていると、包帯人間が言った。

「彼女は話せないです。大目に見てあげてくださいね。ああやって、人よりも働いてくれるんですから」

「ふうん…」