ハロウィンの館〜八年越しの復讐〜
私もオオカミ人間たちや、魔女たちと話したりまあまあ楽しい時間を過ごしていた。

でも、やっぱり死神のことが気になる。

死神は誰とも話さず、一人椅子に座ってジュースを飲んでいる。そして死神にここにいる誰も話しかけようとしない。

まあ、当然だよね。あんなお面をつけて、何も言わないなんて暗くて怖い。誰も相手にしないのも納得できる。

「ごめん!私、トイレ行きたい」

トランプで遊んでいる最中、美湖が立ち上がった。

「……案内します」

魔女も立ち上がり、美湖と一緒に部屋を出て行った。そして、なぜか死神も部屋をすぐに出て行く。

それから、三十分。三人は戻ってこない。

「ねえ、あの三人戻ってこないね」

夏樹が心配そうな顔で、私を見つめる。

「……」

私は何も言えない。

「大丈夫ですよ。心配する必要はありません」

包帯人間がにこりと笑う。悪魔やフランケンシュタイン、吸血鬼も優しく微笑んでいた。

「そうだよ!心配しないで!」

オオカミ人間の二人も言った。
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