ハロウィンの館〜八年越しの復讐〜

私はあまり美湖のことを心配してはいなかったが、友達思いのいい子に見られようと、心配する素振りをした。しかし、夏樹は心配しているようだ。

しばらくして、魔女が部屋に入ってきた。

「体調が悪いそうなので、お部屋に案内しました。あと、もうすぐ夕食になります！今日はいいお肉が手に入ったんですよ〜」

「わ〜い！お肉！！」

オオカミ少年が嬉しそうに笑う。

「美湖は大丈夫なんですか？」

夏樹が訊ねると、魔女は「大丈夫です」と微笑む。夏樹は少し安心したようだ。

私はあの豚が体調を崩すなんて、珍しいと思いながらワインの入ったグラスを傾け続ける。美湖は食欲の塊だ。ごちそうがあれば、目を輝かせて真っ先に椅子に座るのに……。

雨が、さっきよりも強くなっている気がした。私の体になぜか寒気が走った。



夜の七時になり、私たちはパーティー会場から広間へと移動した。

長いテーブルの上には、おいしそうな料理がたくさん並んでいる。美湖がここにいたら、よだれを垂らしていただろう。