ハロウィンの館〜八年越しの復讐〜
「とてもおいしそうですね」

「ああ…。特にあのステーキ!赤ワインとよく合いそうだ!」

吸血鬼とフランケンシュタインが言う。

メインであろうお肉は、たしかにおいしそうだ。いい匂いに食欲が増す。

「食べましょう!もう一度乾杯をして」

包帯人間が水の入ったグラスを持つ。夏樹も、魔女たちもグラスを持った。私も渋々持つ。

「乾杯!」

そして、賑やかな食事の時間が始まった。

季節の野菜を使ったサラダも、オニオンスープも、そしてステーキも頰が落ちるほどおいしい。

「おいしいわ!これを作ったシェフを、私が家に帰ったら雇ってあげる!」

そう言うと、みんながクスクス笑って「きっと喜びます」と言った。

ふと、私は死神がいないことに気づいた。しかし、誰も気にする様子はない。まあ、パーティーでも無視されていたのだから仕方ない。

しかし、テーブルの上には、手がつけられていない料理があった。美湖の分なのだろうか?

結局、美湖は広間に現れなかった。美湖が狂ったように喜びそうなデザートのケーキが出てきても、姿はなかった。
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