ハロウィンの館〜八年越しの復讐〜
「今はお姉さんがいるもん!そうだ!私の宝物見せてあげるね」

オオカミ少女は、鮮やかな赤色に染まった布を何枚も机の上に広げた。

「きれいでしょ?」

赤いだけのただの布。柄があるわけでも、いい匂いがするわけでもない。ただの布。

「シンプルすぎない?」

「それがいいんだよ!」

オオカミ少女は真っ白なハンカチをポケットから出し、近くにある瓶に手を伸ばす。瓶の中には、どれよりも鮮やかできれいな赤い液体が入っていた。

「見ててね?」

オオカミ少女がハンカチに液体をかける。一瞬で白から赤へと変わるハンカチ。その液体は変な匂いがした。私は気持ちが悪くなり、後ろを向く。

「それ、変な匂いがする。気持ち悪い!」

「まるで血みたいでしょ?きれいだよね〜」

そう言い笑うオオカミ少女が怖い。赤く染まったハンカチを、まるで宝石を見つめるような目で見ている。

「血っていえば、エリザベート・バードリーって知ってる?血の伯爵夫人とも呼ばれた人だよ」

「知らないわよ!そんなこと」
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