ハロウィンの館〜八年越しの復讐〜
そんなわけのわからないオカルトのようなこと、お姫様の私が知るはずない。

「エリザベートはね、若い娘の血を浴びれば美しくなれるって信じて、何百人もの女の子を殺した悪女なんだよ!怖いよね〜」

そう言いながら、オオカミ少女は楽しそうに笑っている。私の体に寒気が走った。

「エリザベートは最後は逮捕されて、罰として幽閉されて死んじゃったの!!人間、悪いことをすれば必ず裁かれるんだね〜」

頭の中に、ずっと忘れていたメイリスの顔が浮かぶ。目の前で笑うオオカミ少女に苛立ち、私は椅子を蹴飛ばした。

「うっざい!!あんたのせいで、嫌なこと思い出したじゃん!!どうしてくれんの?明日になったらあんたの首がなくなると思いなさいよ!!」

ずっと嫌なことを忘れて、ハロウィンを楽しんでいた。それなのに、コイツのせいで全部台無し。今すぐにでも消えたい気分だ。

私は乱暴にオオカミ少女の部屋の扉を閉め、与えられた部屋に戻った。怒りは収まることがない。
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