ハロウィンの館〜八年越しの復讐〜
あの子がクラスにやって来て、私のお城を崩したのは夏休みが終わってすぐのことだった。

「Hello!メイリスです!仲良くしてね〜」

アメリカからハーフの子が転校して来た。お父さんがアメリカ人、お母さんが日本人らしい。

大きな二重の目、ふんわりとした長い金色の髪、白い肌。美人なその子は転校初日で学校の話題となった。

私に群がっていた男子は、みんなメイリスの方へと行ってしまった。

別にブサイクなどうでもいい男子だったら、メイリスにいくらでも渡す。でも一番許せないことが起こった。

クラスで一番かっこいいと言われ、私の彼氏候補だった男子がメイリスにベタベタするようになった。

「メイリスちゃんは、アメリカのどこに住んでたの?」

「ニューヨークに住んでたよ!その前はシカゴ。結構いろんなところに引っ越してたんだよね〜」

「日本語、上手だね!」

「thank you!でもお母さんが日本人だからね。あとお父さんからスペイン語とフランス語を教えてもらったよ」

「すごい!かっこいい!」

そんなラブラブとした空気に、私は耐えられなくなった。そしてそのころから私の友達だった夏樹と美湖に命令した。

「……メイリスをいじめなさい!」
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