ハロウィンの館〜八年越しの復讐〜
メイリスの親の言葉はどうでもいいけど、楽しいハロウィンの日に死なれたのは気持ち悪い。それからハロウィンの日にパーティーをすることはなくなった。



「この豚が…!!嫌なこと、全部思い出したじゃない!!」

私は足で前の席を蹴った。イライラが収まらない。

「違うって!私が言いたかったのは、事件のことだよ」

美湖がコーラのペットボトルを開ける。シュワっという音が聞こえた。

「事件?」

「そう。八年間ずっとハロウィンの日に殺人事件が起こっているんだよ!それもすごく残酷でさ…。犯人も捕まってないみたいだし……」

そんな事件、初めて知った。私は夏樹を見つめる。

「知ってる?」

「うん、知ってる」

ハロウィンの日は死ぬ人が多いの?少し慣れてきたはずのシルエットがまた不気味に見えてきた。

「でも、こんな山の中じゃやっぱり怖いよ!どこかに家とかないのかなぁ?」

美湖がキョロキョロと辺りを見渡す。家の明かりなんてどこにもない。

「……なさそう」

もしも殺人犯が目の前に現れたら、この二人を盾に私は逃げるつもり。私のために死ねるなんて、嬉しいでしょ?

「……美麗、うっすらと向こうに光があるよ」

運転していた夏樹が嬉しそうに言う。
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