ハロウィンの館〜八年越しの復讐〜
「ほんと！？夏樹、あんた本当に頼りになるわ〜」

態度を一気に変え、私は夏樹の指さす方を見る。たしかに光が見えた。

「行ってみよう！」

車は光のある場所へと向かった。



そこは古びた洋館だった。明かりがなければただの廃墟だろう。しかし、洋館の窓から明かりがもれている。

夏樹がボロボロの扉を叩く。呼び鈴は探したが見つからなかった。

「は〜い！どちら様ですか〜？」

そう言って出てきたのは、オレンジ色のリボンのついた黒いとんがり帽子に、リボンやフリルのついたドレスを着た私たちと同い年くらいの女の子だった。

「実は、道に迷ってしまったの。ここに泊めさせてくれない？」

私がそう言うと、女の子は考えもせずに、「どうぞ入ってください！」と言い私たちを洋館の中へと入れた。

「ありがとうございます」

美湖と夏樹が同時にお礼を言う。私は言わない。困っている時に助けてもらうのは当たり前だから。

「実は今、この屋敷のみんなでハロウィンパーティーをしているんです！よかったら一緒に楽しみましょう！ちなみに私は魔女です！」

女の子がモデルのようにその場でポージングをする。

「……私がした方がきっとかわいいと思うわ」

そう言うと、女の子はクスクス笑って「そうですね」と答えた。
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