イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
朝陽に手を引かれ、通路を進む。たどり着いた先はミーティングルーム。静かにドアを閉めた朝陽とともに耳を澄ませれば、通路に響いていた足音が徐々に小さくなっていった。
「行ったみたいだな」
「うん。そうみたいね」
ふたりにしか聞こえない小さな声で会話を交わして微笑み合う。
朝陽と顔を合わせるのも久しぶり。ただ笑い合うだけのことが、とても新鮮でうれしい。ずっと、こうしていたいな……。
ふたりだけの時間が永遠に続くことを祈った瞬間、朝陽の大きな手が頬に触れた。
「人の話を盗み聞きするとは、悪い子だな」
私を責めるようなことを言っても、朝陽の顔に浮かんだ笑みは消えない。
「だって……」
腰を屈めて私の額に自分の額をコツンと合わせた朝陽がクスッと笑う。
「だってじゃないだろ。これはおしおきが必要だな」
「えっ? おしおきって……んっ……」
最後まで言葉を言い終わらないうちに、朝陽に唇を塞がれてしまった。
久しぶりに交わす朝陽とのくちづけは、とろけるように甘い。唇の端から吐息を漏らしながら、徐々に深まるキスを朝陽と交わす。
こんなおしおきなら、毎日されてもいい……。
明かりも点いていないミーティングルームに、お互いの唇を求め合う淫らな音が響いた。