イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
朝陽とキスをしたという彼女から預かった白い箱を、今すぐゴミ箱に投げ入れたい衝動に駆られる。でも彼女から受け取った以上、朝陽にきちんと渡さなければならない。
変な責任感を持ってしまう自分に半ばあきれつつ、白い箱を冷蔵庫にしまった。
それにしても、朝陽と彼女がキスをしたというのは本当なのかな……。
突然マンションを訪れた彼女の前では強気に振舞ったものの、ひとりになった途端、不安が大きく膨れ上がる。
とにかくウジウジと悩んでいても仕方ない。朝陽が帰ってきたらさっきの出来事をすべて話そう。
そう決意した瞬間、リビングのテーブルの上に置いていたスマホが音を立てた。
もしかして朝陽から?
キッチンからリビングに慌てて移動してスマホを手に取れば、朝陽からのメッセージが画面に表示されていた。
【今仕事終わった。大阪駅で待ち合わせしない?】
イルミネーションを見に行くという約束を朝陽はきちんと覚えてくれていた。けれど今の私はイルミネーションを楽しむ心境ではない。
【朝陽に聞きたいことがあります。マンションで待ってます】
やや固い文章を送ると、ソファに体を横たえた。