イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
同期のアイツのお願い
安藤にお寿司をごちそうになり、気分よく足を進めていると、ほどなくして横浜駅にたどり着いた。
「じゃあ安藤、今日は本当にありがとう。ごちそうさまでした」
「……」
今日のお礼を改めて伝えた。けれど安藤からの返事はない。
「安藤?」
顎に手をあててなにかを考え込んでいる安藤の顔を覗き込めば、視線がパチリと合った。
「なあ、柴田?」
「なに?」
「オマエ、子供……好き?」
「えっ? 子供?」
「ああ、子供」
独身である安藤の口から、どうして『子供』というワードが飛び出るのかがわからない。いつになく真剣な表情を浮かべている安藤を見つめて頭をひねること数秒。あることにハタと気づいた。
「安藤? もしかしてデキ……」
「デキてねえからっ!」
唐突に子供が好きか?と聞いてくるのは、どう考えてもおかしい。だから、もしかして予定外に子供がデキてしまったのかと思った。けれど最後まで言葉を言い終わらないうちに完全否定されてしまい、ますます頭が混乱してしまう。
「それじゃあ、どうして子供が好きかなんて聞いてくるのよ」
「説明は後でする。好きか嫌いかだけ教えてほしい」