イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
もうひとりの同期
朝陽と距離を置くと決めてから一ケ月が経った一月下旬のある日。お風呂を済ませて部屋に戻ると、スマホにメッセージが届いていた。
私に連絡してきたのは渋谷支店勤務の中山くん。きっと同期会のお知らせだろうと思いつつ、彼からのメッセージを読んだ。けれど……。
「……どういうこと?」
思わず口から言葉が漏れてしまったのは、中山くんからのメッセージが想像していたのとは違っていたから。
【安藤のことで話がある。今度の土曜日、横浜で会えないかな?】という中山くんのメッセージに首を傾げる。
中山くんから同期会以外のメッセージが届いたことは、今まで一度もない。それなのに突然、しかも朝陽のことで話があるなんて少しおかしくない? まさか朝陽の身になにか起きたとか?
胸の中で不安が大きく膨らみ、焦燥感に駆られるまま【朝陽のことってなに?】と、中山くんにメッセージを送った。するとすぐに返信が届く。
【会ってから話すよ】
詳しいことを教えてくれない中山くんに苛立ったものの、彼のメッセージを読む限り朝陽になにか起きたようではなさそうでホッと胸をなで下ろす。
土曜日の予定もなく、横浜まで来てくれると言う中山くんを拒む理由もなかった私は彼の誘いを承諾した。