イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
観覧車で愛を誓う
新大阪駅で朝陽のお姉さんと無事に合流を果たし、蓮くんとお別れの挨拶を交わす。
「蓮くん、元気でね。また会おうね」
「うん!」
屈託のない笑顔を見せてくれる蓮くんに手を振ると、ふたりが乗った新幹線を見送った。
短い時間だったけれど、蓮くんと会えてよかった。
蓮くんが乗った新幹線が見えなくなったホームで楽しかった今日一日の出来事を思い返していると、横から朝陽の声が聞こえた。
「穂香。一緒に行ってほしい場所があるんだけど」
今夜は蓮くんと朝陽のマンションに泊まると思っていた私にとって、ほかに行くあてなどない。
「うん」と返事をすると、歩き出した朝陽の後を追った。
「穂香。俺と一緒にアレに乗ってほしいんだけど」
朝陽がそう言いながら指をさしたのは、ショップや映画館などが集まった大型複合施設のエキスポシティにある観覧車。
昼間、私たちは蓮くんと三人で訪れた遊園地でも観覧車に乗った。それなのに朝陽はまた観覧車に乗りたいと言う。
朝陽って観覧車好きだったっけ?と思ったものの、断る理由が見あたらなかった私は「うん」と返事をした。