イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
蓮くんを口実にしなくても、私は朝陽に会いに大阪に来たのに……。
ヘタレな朝陽も愛しくて、つい口からフフッという笑い声が漏れてしまった。
「久しぶりに蓮くんと会えてうれしかったけれど、私が一番会いたいと思っていたのは朝陽だよ」
「俺も穂香に会いたいってずっと思ってた」
今まで言えずにいた思いを口にすれば、朝陽の顔に柔らかい笑みが浮かぶ。
距離を置いても、お互いを思い合う気持ちは変わらなかった。
その事実をうれしく思っていると、向かいのシートから立ち上がった朝陽が私の隣に腰を下ろした。
私の左肩に朝陽の腕が触れる。たったそれだけのことなのに、朝陽の温もりを感じた瞬間、頬が熱く火照り出す。
「離れている間、穂香に触れたくて仕方なかった」
「……うん」
朝陽の大きな手が私の頬を包み込むように触れる。
「それからキスも……」
「……うん。私も」
私の思いは朝陽と同じ。
そっと瞳を閉じると、ふたつの唇が静かに重なった。
久しぶりに感じた朝陽の温もりで心が満たされていくのを実感する。でも朝陽はお互いの唇が触れるだけの短いキスだけでは物足りなかったようだ。
「穂香……もっといい?」
「……うん」
コクリとうなずく私の唇に、朝陽の唇が再び重なった。