イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
「あ、そ。遅い時間にこんな甘いのを飲んだら、確実に太るもんな」
まるで私の心を見透かすように、安藤がクククッと笑い出す。
「うるさい!」
気にしていることをズバリと指摘されたことが悔しくて、つい大きな声をあげてしまった。
でもコーヒーショップに入ったのは、キャラメルフラペチーノを味わうためではないし、安藤とケンカをするためでもない。
「それで、子育てってどういうこと?」
ホットコーヒーをひと口味わって気分を鎮めると、本題を切り出した。
「実は五歳になる甥っ子を三日間預かることになった」
「へえ、そう」
「短時間遊ぶくらいなら大丈夫だけど、ひとりで三日は絶対無理! もう不安しかなくてさ……」
安藤はテーブルの上に肘をつき、両手で頭を抱えた。
私にはふたつ年下の弟がいる。弟はまだ独身のため、私には甥っ子や姪っ子はいない。五歳の男の子の身長や体重、どんなことをして遊ぶのかなど、アレコレと想像してみたものの、小さい子供とあまり接する機会がないせいか、いまいちピンとこなかった。
だから安藤が五歳の甥っ子を三日間預かることに、不安を感じるのもわからなくはない。
「それで?」
普段は冷静な安藤が私の前で頭を抱えて悩むとは珍しい。そう思いながら、話の続きを促した。