イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
Stage.12
同期のアイツと結婚
私と朝陽の左薬指にキラリと光るのは、お揃いのマリッジリング。無事に挙式が終わり、これから親族と職場の上司を中心とした披露宴を、その後は同期が大勢参加する二次会が開催される予定になっている。
よつば銀行横浜支店に配属された私と朝陽にとって、横浜は思い出の地。だから私たちは横浜で結婚式をあげることを決めた。
しかし、これから私と朝陽が新しい生活をスタートさせるのは大阪。お世話になったよつば銀行を退社して、慣れ親しんだ横浜を去るのは正直つらい。けれど、朝陽の隣が私の居場所。この先、朝陽がどこへ異動してもついて行くと決めた。
「ほのかちゃん! とってもきれいだよ」
「ありがとう。蓮くんもとってもカッコいいよ」
「えっ? ほんとう?」
「うん。本当」
純白のウエディングドレス姿の私を褒めてくれる蓮くんにお礼を告げる。そして私も黒のフォーマルスーツをピシッと着こなしている蓮くんを褒めた。すると朝陽が私の隣で不機嫌な声をあげる。
「おい、蓮。俺の嫁にちょっかい出すんじゃねえよ」
ついさっき私と朝陽は神父様の前で、永遠の愛を誓ったばかり。それなのに早くも蓮くんに嫉妬するなんて、あきれてしまう。
「蓮くん。朝陽の言うことなんか気にしなくていいからね。そうだ。今度大阪にお泊りにきてね」
「うん!」
ひまわりのような笑顔を見せてくれる蓮くんと一緒に微笑み合っていると、またも朝陽が口を挟んできた。
「蓮。穂香と一緒に風呂に入るのは禁止だからな」
「もうっ! 変なこと言わないでよっ!」
冗談なのかそれとも本気なのか、よくわからない朝陽の言葉にツッコミを入れれば、蓮くんがケラケラと笑い出す。
近い将来、私と朝陽の間にも蓮くんのようなかわいい子が授かることを願いながら、みんなで笑い声をあげた。