イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
同期のアイツはイクメン?
昼食を終えると三人でプラチナガーデンを散策することにした。私のキャリーケースは引き続き安藤が運んでくれる。
手荷物の煩わしさがないのは、気分がいい。
気持ちよく久しぶりに訪れたプラチナガーデンを進みながら、気になるアパレルショップに目を向けた。店頭には初夏にぴったりな淡いブルーのブラウスや白いサンダルが並んでいるのが見える。
もっとじっくり、商品を見たいな……。
そう思ったけれど、五歳の蓮くんにとって、アパレルショップは退屈な場所のはずだ。
今日から三日間は蓮くん中心の生活をしなければならない。アパレルショップを覗くのは、今度の機会にしよう。
そう自分に言い聞かせつつ、アパレルショップの前を通り過ぎる。するとすぐ先に本屋があることに気づいた。
「そうだ。蓮くん。夜寝るとき、お姉ちゃんが本を読んであげようか?」
こんなことをひらめいたのは、幼い頃に母親が読み聞かせをしてくれたのを思い出したから。安藤みたいに蓮くんに物事を教えるのは難しいけれど、本を読むことなら私にもできる。