イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした

プラチナガーデンの食品売り場に移動すると、買い物カートを押す安藤の後ろを蓮くんと手を繋いで進む。

「蓮くん。明日のお弁当、なににしようか?」

「うーんと……からあげ!」

これから揃えるのは、今日の夕食と明日のお弁当の食材。

公園で適度に運動させて、規則正しい時間に食事を取らせ、知能の発達を促すために本屋で絵本を買い、おもちゃ売り場では忍耐力をつけるために我慢を覚えさせる。

蓮くんとまだ半日も一緒に過ごしていないのに、早くも子育ては大変だと実感してしまった。

けれど、から揚げが食べたいと満面の笑みを浮かべる蓮くんの姿を見ただけで、早起きしてお弁当を作るくらいどうってことないと思えるから不思議。

「了解! がんばってから揚げ作るからね」と答え、精肉コーナーに向かった。

鶏のモモ肉を買い物カゴに入れると、安藤が私に尋ねてくる。

「なあ、今日の夕食はなににする?」

私が作れる料理のレパートリーは、それほど多くない。レシピを見ないで作れる物として、真っ先に頭に思い浮かんだのはカレーだった。

「カレーにしない? いっぱい作って明日の朝もカレー食べれば楽だし」

「そうだな」

豚の煮魚とか、筑前煮とかリクエストされても、上手に作れる自信などない。安藤がすぐにカレーに同意してくれて、ホッと胸をなで下ろした。

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