イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
同期のアイツと初めて迎える夜
「蓮。風呂入るぞ」
ビデオ通話が終わり、安藤が蓮くんに声をかける。
ふたりがお風呂に入っている間に食器を洗って、明日のお弁当の下準備をしなくちゃ。
アレコレと考えながら食器をキッチンに運んでいると、蓮くんが思いがけないことを言い出した。
「ほのかちゃんとはいる!」
スタスタッとキッチンに来た蓮くんが、私の手をキュッと握った。
「は?」
「えっ?」
蓮くんの発言を聞いて驚いた私と安藤の声がかぶる。
蓮くんはまだ自分で体と頭を洗えないよね?
五歳の蓮くんと一緒にお風呂に入ることに躊躇い、安藤に視線を向ける。すると彼の口角がニヤリと上がるのが見えた。
「いっそのこと、三人で入るか」
下品なことをわざと言い、困惑する私を見て楽しむ安藤は悪趣味だ。
「安藤のバーカ! 蓮くん、行こう」
「うん!」
茶々を入れる安藤にガツンと言い返し、蓮くんの小さな手を握り返してお風呂に向かった。