イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
Stage.4
子育て同居二日目
午前六時にセットしたスマホのアラームが耳もとで鳴り響く。すぐに目が覚めた私は蓮くんを起こしたら大変だと、慌ててアラームを止めた。
朝早く起きたのは動物園に持っていくお弁当を作るため。ベッドからそっと抜け出して寝室を後にすると、リビングのドアを開けた。
私に背中を向けてソファに横になっている安藤を起さないように、そっとキッチンに入る。するとカウンター越しに声が聞こえてきた。
「穂香。おはよ」
「お、おはよう」
いつも決まっている前髪厚めのマッシュヘアも、今は寝ぐせがついてまとまっていない。体を起こしてソファに座り、大あくびをしている無防備な安藤の姿は新鮮だ。
「これから弁当作るの?」
寝起きのかすれた声で、安藤が私に尋ねてくる。
「うん、そう。眠いならまだ寝てていいよ」
ふたりでお弁当を作れば、早くできあがる。それなのに手伝いをやんわりと断ったのは、キッチンでふたりになるのが気まずかったから。一晩寝たからアルコールは抜けているはずだけど、昨夜のように触り魔になられたら困る。
「いや、大丈夫。手伝うよ」
「あ、そう。ありがと」