イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
ライダーの放送を見終わると、荷物の片づけに取りかかる。
これから一昨日立ち寄ったプラチナガーデンでランチをして、こども広場で少し遊んでから、出張先から戻ってくる安藤のお姉さんと待ち合わせをしている新横浜に向かう予定になっている。
荷物の整理が終わったキャリーケースを玄関に運ぼうとすると、安藤にその手を止められた。
「蓮を見送った後、ここに取りに戻れば?」
たしかに大きなキャリーケースをコロコロ転がして、あちこち移動するのは大変だ。それに安藤のお姉さんとの待ち合わせ時間は午後五時。安藤のマンションにキャリーケースを取りに戻っても、遅い時間の帰宅にはならない。
「そうさせてもらおうかな」
「おう」
安藤がキャリーケースをリビングの片隅に移動させた。
「蓮、忘れ物はないな?」
「うん!」
安藤に聞かれた蓮くんが、元気よく返事をする。着替えなどが入った大きなリュックは安藤が持ち、絵本とライオンのぬいぐるみが入った袋は私が持つ。
こうして身支度が整うと、今日で本当にお別れなんだと感傷的になってしまう。けれどふさぎ込んでも仕方ない。
蓮くんに心配かけないためにも、今日は最後まで笑顔でいようと心に決めた。