イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
同期のアイツと間接キス
予定通りプラチナガーデンでランチをすると、こども広場で遊ぶ。初日は荷物番をしていた私も今日は蓮くんと一緒に公園を走り回った。明日はきっと筋肉痛だ。
疲れた体が求めるのは糖分。フードコートのジェラート店に向かう。ミルクにイチゴ、キャラメルにブルーベリーなど種類豊富なジェラートを前に、蓮くんとどの味にするか真剣に悩んでいると、安藤に肩をトンと叩かれた。
「穂香。少しの間、蓮を頼んでもいいか?」
常に蓮くんから目を離さなかった安藤が、こんなことを頼んでくるのは三日間で初めてだ。
「いいけど、トイレ?」
「いや、ちょっとな……」
私の質問に対して、安藤ははっきりとした答えは口にしなかった。
蓮くんと会ったばかりの初日にこんなことを頼まれたら、速攻で断っていただろう。でも蓮くんとすっかり仲良くなった今では、少しの間、安藤がいなくても大丈夫。そう思えるまでに成長した。
「うん、わかった」
「悪いな。すぐ戻るから」
安藤は顔の前で両手を合わせる。そして、そそくさとフードコートを後にした。
「あれ? あさひは?」
真剣にジェラートを選んでいた蓮くんが、安藤がいなくなったことに気づく。
蓮くんに理由を告げずに姿を消したのは、行き先を内緒にしたいから?
とにかく今は、蓮くんを不安にさせるわけにはいかない。
「用事を思い出したんだって。すぐに戻るらしいからジェラート食べて待ってようね。蓮くんはどの味にする?」