そんな目で見ないでっ!
以来、司は事あるごとに秋菜の所にやってくるようになった。

中学に入ると司は益々男らしくなった。

女の子のような可愛い顔は徐々にあどけなさが消え、凛々しさを備えはじめた。

女の子からもモテ始め、よく告白される姿を見かけるようになった。

秋菜を見かけると、女の子を放って駆け寄る姿が犬のようだと思ったが、憎そうに睨む女の子の視線が痛かった。


「妬いた?大丈夫だって!俺は秋菜だけだから」

女の子の視線にはお構いなし。


「好きな女にしか俺は優しくしないの!
優しくして、相手が誤解したらヤじゃん。
俺は秋菜以外に興味ねーし」


咎めると悪びれたそぶりも見せずに司はそう言った。

まっすぐぶつかってくる司に、秋菜は困りながらも嬉しかった。

こんな感じで、司は秋菜を追い掛け続けている。

絶対彼女にすると固く決めて。
< 11 / 96 >

この作品をシェア

pagetop