そんな目で見ないでっ!
「じゃ、行こう」


家を出ると司は秋菜の手を握り歩き出した。


「手、放してよ」


秋菜が言うと、司はニヤリと笑い


「デートじゃん。
手くらい繋がなきゃ」


と、恋人繋ぎに変えた。

その繋ぎ方に秋菜が少しドキドキしていると、司は見透かしたように


「秋菜の手、熱くなってきた」


と言い、嬉しそうにしている。

言われて手を振りほどこうとしたが、いつの間にか秋菜よりもずっと強くなった司の力には敵わなかった。


「俺のがもう力あんだから、諦めなって」


司は意地悪く言いながらも上機嫌だった。
< 14 / 96 >

この作品をシェア

pagetop