そんな目で見ないでっ!
観覧車の狭い空間に気まずい空気が流れる。

秋菜はただただオロオロして、どうすればいいのか分からなかった。

いつもの様に笑い飛ばしてくれると思っていたのに、予想外の司の態度に戸惑っていたのだ。

あれこれ考えたが何も浮かばない。

秋菜は大きなため息をついた。

すると司がたまりかねたように笑い出した。


「ほんと秋菜って可愛い」


司が笑ってくれて秋菜はホッとした。


「でもさ、俺の本気が秋菜には伝わってないっつーのはムカついた。
前にも言ったけど、俺、秋菜以外ありえないから覚悟しといてね」


「またそんな事言って…
冗談にも程があるってば」


秋菜がごまかすようにそう言うと、司はまっすぐに秋菜を見て


「すっげーマジ。真剣。
冗談でこんな事言わない」


と司は言った。
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