そんな目で見ないでっ!
「ご褒美決めた。
秋菜、俺の彼女になって」


司がそう言い出したので、秋菜は戸惑った。


「何そのご褒美!」


「俺にとったら最高のご褒美じゃん?
秋菜が手に入るなら、俺何もいらねぇもん」


司はそう言うとにっこりと笑った。


「…前から聞こうと思ってたんだけどさ、司はあたしのどこが好きなの?」


秋菜が司にそう尋ねると、司は秋菜の目をまっすぐ見つめて


「全部」


と答えた。


「ちょっとトロくてドジなとこも、すぐに真っ赤になるとこも、ムキになって突っ掛かってくるとこも、面倒見いいとこも、優しいとこも、寝ぼすけなとこも、良いとこも悪いとこも全部が好き」


言われて秋菜は聞いた事を後悔した。

聞いてしまったから、もうごまかしたり出来ない、そう感じていた。


「秋菜?
もし俺がタメだったら、俺を好きになった?」


司に聞かれ、秋菜は俯いた。

思わず頷いてしまいそうになっていた。


「ご褒美、考えてね、真面目に」


司は秋菜にそう告げるとにこやかに秋菜を見ていた。
< 23 / 96 >

この作品をシェア

pagetop