そんな目で見ないでっ!
待って!

平穏じゃない日常

誕生日デートから一週間。

秋菜の周囲は少しずつ変わりはじめた。

ベッド横のラックの上には司がくれた指輪が光る。


「誕生日おめでとう」


遊園地の帰り、秋菜の指にはめながら司はそう言って照れた笑顔を見せた。


「大人になったらもっとすげーのプレゼントすっからさ」


真顔で言われて心臓が爆発しそうだった。

ボーッとしながら家に帰ると、秋菜の母親が満面の笑みで待っていた。

秋菜の指に光る指輪を見ると


「もしかしてプレゼント?
やったわね、秋菜!」


と、自分の事の様に喜んでいた。


「いつもつけてろよな」


司に言われたが、秋菜は指輪を外し、以来つけてはいない。

つけると司との交際を認めた事になりそうで怖かった。

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