そんな目で見ないでっ!
「秋菜ー!早くしろよー!置いてくぞー!」


毎朝司が迎えに来る。

無視をすると部屋に押しかけてくるので、毎朝一緒に途中まで登校するようになった。


「ちょっと!
もっと離れて歩いてよね!
変な噂立ったら困る」


「噂立ったら誰も秋菜に手、出さねぇじゃん」


司はしれっとしてそう言う。

しっかりと秋菜の手を握り、離そうとしない。


「いいから学校行けば?」


「秋菜を送ってからな」


毎日遠回りをしても秋菜の高校の前までついて来る。


「じゃーな!」


高校の前につくと、秋菜が見えなくなるまで見送ってくれる。

周囲にじろじろと見られ、恥ずかしいわけがないのに、そんな事はどこ吹く風で気にも止めていないようだ。


『あいつ、あたしの何がいいんだろう…
恥ずかしくないわけないのに…』


そんな司を見ながら、秋菜は漠然と考えていた。
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