そんな目で見ないでっ！

「亮太？
あたしの性格、亮太なら知ってるよね？」


友利が亮太に尋ねると、亮太は頷いた。


「やっぱな…
おかしいとは思ってたんだ。
友利が俺に直接言わないなんて、あんま考えられないからさ」


亮太はそう言いながら、罰が悪そうに頭を掻いて友利の所に歩いてきた。


「ひどい…」


さくらが顔を両手で覆い隠し、泣いているような素振りを見せた。


「それ、振りだろ？
俺さ、さっきちらっとだけどあんたの本当の表情見たんだよね」


亮太がそう言うと、さくらは顔を上げてニッコリ笑った。


「泣き落としも駄目？
じゃあもういいや」


ケロッとした顔でスタスタと歩き去って行くさくらを、友利と亮太は呆気に取られた顔で見送った。