そんな目で見ないでっ!
「ありがとう!
マジで嬉しい!」


秋菜の笑顔に、司は幸せな気分になった。



しばらくゲームセンターで遊んで、二人は家路についた。

秋菜は司に取ってもらったぬいぐるみを嬉しそうに抱きしめながら歩いていた。


「なぁ?
俺の事もそんな風に抱きしめてくれないわけ?」


司がわざと拗ねたようにそう言うと、秋菜は慌てて


「な、何?
司、ぬいぐるみじゃないじゃん、無理!」


と首を振る。

そんな秋菜が可愛くて、司は秋菜をからかいながら歩いた。

家の前まで送ると、司はわざと


「取ってあげたお礼にチューしてよ」


と頬を突き出した。

秋菜は戸惑った表情をしていたが、エイッという感じで司の頬にキスをして、バタバタと家に入って行った。

してもらえるとは思っていなかった司は、秋菜が見えなくなった途端にヘナヘナとその場に座り込んだ。

夢か?夢なのか?

何度も頬をつねった後


「ヨッシャー!!」


と何度もガッツポーズをしていた。
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