そんな目で見ないでっ!
「でも、怖かったのはホントだからね!」


「ごめんね、秋菜~」


「駄目!許さない」


「許して、お願い!」


「…じゃあ、新しい服買って。
そしたら許してあげる」


母親は秋菜の言葉に渋い顔を見せたが、すぐに笑顔になり


「いいわ、買ってあげる。
でも、選ぶのは司君。
それが条件ね」


とウインクをしながら言った。


「何で?司に選んでもらうなんてヤダ!」


「ふーん、じゃあ服、いらないんだ」


「だって…」


「秋菜が欲しい服で司君の好みの服を買えばいいだけじゃない?」


秋菜の母親は楽しそうにクスクス笑っていた。

子供っぽい所が残るこの母親に秋菜は敵わない。


「じゃあ、司君にメールしなきゃね」


母親は鼻歌を歌いながら携帯をいじり始めた。

秋菜は諦めたように溜息をついて部屋に戻った。
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