そんな目で見ないでっ!
目当ての店に着くと、司は店内をキョロキョロ見渡して目を輝かせた。

どれもこれも秋菜に似合いそうな物ばかりに見えて、全部着てもらいたいと思っていたのだ。


「何で司がそんな顔してんの?」


秋菜が笑いながらそう尋ねると、司は待ちきれないと言わんばかりに秋菜を見た。


「あれ!あれ着てみて!」


無邪気にワンピースを指差した。

秋菜が普段は絶対に着ないミニのワンピース。


「無理!あたし、ミニとかはかないし」


秋菜の言葉を無視して、司はワンピースを手渡すと、試着室に押し込んだ。


「着てみるだけ着てみ。
絶対似合うから」


秋菜は半ばやけになりながらワンピースに袖を通した。

ゴスロリ風の黒いワンピースは、やたらと紐が多くて着るのに苦労した。

丁度着終わった時、司が声をかけてきた。

秋菜がそっと試着室のドアを開けると、司はパァッと顔を輝かせた。


「超可愛い!秋菜最高!」


店内の人が振り返る程の大声を出しはしゃいでいた。
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