そんな目で見ないでっ!
「帰っていいから」


秋菜が何度言っても司は聞かなかった。


「とりあえず飯食おう!
俺、腹減った~」


「エェ?!もう食べるの?早くない?」


「早く食った方がいいじゃん。」


意味深な笑顔で司が笑ったので、秋菜は不覚にもどぎまぎしてしまった。

秋菜の行動の全てを司は見つめていた。

家の中で見つめられるといつも以上に視線が刺さる。

緊張して、秋菜が皿を割ってしまうと


「大丈夫か?」


司はすぐに駆け付けてきた。


「怪我しちゃまずい。
秋菜はあっち行ってろ」


秋菜を制して自ら片付けを始めた姿にドキッとしてしまった。


「イテッ」


皿の破片で司は指を切りながらも


「秋菜は触んなよ。
こんな風に切ったらやべーからさ」


と秋菜を止めた。


「何よ、まだガキのくせに…」


秋菜は少しドキドキしながらも、それを隠すようにわざと意地悪く言った。
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